「ミライ」というタイトルを見て,「何のことだろう」と意外に思われた方々もいらっしゃるかもしれません.今回は同じフリガナでも,未来(みらい)ではなく味(み)蕾(らい)の話です.
嗅覚(きゅうかく)と味覚の障害は,生命の危険性がほとんどないために,それほどは医学的に注目されていませんでした.
しかし,この障害があると食事やお酒,香りを楽しむことができずにイライラが募(つの)るだけでなく,毒物の臭いや味に気づかず重大な結果をもたらすおそれもあります.時には嗅覚や味覚が,腫瘍(しゅよう)などの重大な病気によって阻害されていることもあります.しかし近年ではこの味覚の問題がミネラル摂取の問題とともに注目されています.
上の図をご覧ください.みなさんもどこかで見かけた記憶がありますね.ご存知,舌の上でどの箇所がどんな味を感じるかを示した図です.
しかし,この障害があると食事やお酒,香りを楽しむことができずにイライラが募(つの)るだけでなく,毒物の臭いや味に気づかず重大な結果をもたらすおそれもあります.時には嗅覚や味覚が,腫瘍(しゅよう)などの重大な病気によって阻害されていることもあります.しかし近年ではこの味覚の問題がミネラル摂取の問題とともに注目されています.
上の図をご覧ください.みなさんもどこかで見かけた記憶がありますね.ご存知,舌の上でどの箇所がどんな味を感じるかを示した図です.
下の図をご覧ください.これが味蕾の断面図です.
舌の味蕾は味を識別し,この感覚情報は脳へ送られ,脳で臭いの感覚情報と1つに統合されることによりいわゆる風味として認識し味わうことができます.塩味,苦味,甘味,酸味などの味覚は,嗅覚がなくても感じられます.しかし,たとえばラズベリーのような複雑な風味を味わうには,味覚と嗅覚(きゅうかく)の両方による認識が必要です.
舌の味蕾は味を識別し,この感覚情報は脳へ送られ,脳で臭いの感覚情報と1つに統合されることによりいわゆる風味として認識し味わうことができます.塩味,苦味,甘味,酸味などの味覚は,嗅覚がなくても感じられます.しかし,たとえばラズベリーのような複雑な風味を味わうには,味覚と嗅覚(きゅうかく)の両方による認識が必要です.
味覚障害とは,食べ物の味がわからない,味が薄いと感じる,甘いものを苦く感じるなど本来の味と違う風に感じる,辛いなど他の味はわかるのに甘みだけがわからない、など味覚が正常に働かなくなることです。何も食べていないのに苦みを感じる,どんな食べ物を食べてもなんともいえないいやな味がする,といった症状を訴える人もいます.「まるで砂を噛むようだ」というように訴える人もいます.
味蕾は短期間で新陳代謝を繰り返しており,味蕾を構成する細胞が生まれ変わる時に亜鉛を必要とします.味蕾は加齢とともに数が減少してくるため,一般的に高齢になると味覚が衰えてきます.しかし,最近は10代や20代の人にも味覚障害が増えており,その原因のトップは亜鉛不足だといわれています.
亜鉛は体内で合成されないので,亜鉛不足を解消するには,亜鉛を含む食品を食べた方がよいでしょう.亜鉛の1日の摂取量の目安の半分程度しか摂れていない場合が多いようです.亜鉛を多く含むのは,カキ,牛もも肉,レバー,うなぎ,ナッツ類,プロセスチーズ,木綿豆腐,海藻,ゴマ,緑茶,抹茶などです.
若い世代に味覚障害が増えているのは,ファーストフードやインスタント食品ばかり食べていることも大きな原因でしょう.加工食品には亜鉛を体内から排出してしまう働きがあるポリリン酸ナトリウムなどの食品添加物や,亜鉛を吸収しにくくする働きがあるフィチン酸という発色剤が含まれています.偏食をやめ,加工食品は可能な範囲でできるだけ食べないように意識しましょう.
肝臓がアルコールを分解するのに大量の亜鉛を必要とします.アルコールは適量を守り酒の肴にはカキ,ナッツ類など亜鉛を含む食品を食べるようにすると亜鉛不足をある程度補えるでしょう.
注意すべきは,味覚障害は亜鉛不足だけでなく服用している薬剤や全身の病気のせいで二次的に起こってくる場合もあります.「おかしいな?」と思ったら早めに医療機関を受診しましょう.