2015年05月

数回にわたり脂質異常症,コレステロールと中性脂肪の話です。
脂質異常症は,高血圧症,糖尿病とともに生活習慣病の代表的な病気の1つです。
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脂質とよばれるものには,コレステロールと中性脂肪があり,コレステロールには,悪玉コレステロール(LDLコレステロール)と善玉コレステロール(HDLコレステロール)があります。中性脂肪は,トリグリセライドともよばれます。
悪玉コレステロールや中性脂肪が増えすぎたり,善玉コレステロールが減りすぎると,動脈硬化が進みます。
動脈硬化ってなに?
動脈硬化が進むと,脳梗塞,脳出血,心筋梗塞,狭心症,閉塞性動脈硬化症などの病気(合併症)を起こす可能性が高くなります。こういった合併症を起こすと,後遺症が残ったりする場合があり,生活や仕事に支障をきたすことがあるため,動脈硬化関連の病気に対しては注意が必要です。当クリニックの理念「患者さんの健康寿命をのばすこと,社会的に健康であることをサポートする。」の実現のためには,動脈硬化疾患の発生予防は最重要課題なのです。
脂質異常症の診断基準は下記のとおりです。
脂質異常症の診断基準 2028
脂質異常症と診断されたら,検査データを正常値に近づけるよう,食事療法,運動療法,薬物療法を行なえばよいのですが,勘違いしやすい大きなポイントがあります。
他の病気の状況により,患者さんごとに目指すべき目標値が異なる,ということです。
大ざっぱにいえば,脂質異常症とは別の他の病気を一切お持ちでない患者さんはある程度余裕をもった目標値を設定できるのに対し,すでになんらかの病気(心筋梗塞や狭心症,脳梗塞などの合併症)にかかってしまった病歴のある方や,他の生活習慣病(糖尿病,慢性腎臓病,末梢動脈疾患)を同時にお持ちの患者さんの場合,比較的厳しい目標値を設定することが望ましい,ということです。
この判断はみなさんの担当医の先生にやっていただくべきことでありますので,ここでは詳しい説明は避けますが,患者さんの病状によりカテゴリー「Ⅰ」,「Ⅱ」,「Ⅲ」,「再発予防(冠動脈疾患の既往)」に分け,それぞれのカテゴリー別に適切な目標値設定を行なっていくことが良いのです(下記参照)。
「担当医の先生によって言うことが違うので困る」などの疑問は,こういった目標値の個別性からも発生します。生活習慣病の管理は,患者さんと担当医の先生との間の相互理解,コミュニケーションが重要であるゆえんです。混乱はモチベーションを下げるからです。
心筋梗塞・狭心症などになったことがある→再発予防
参考文献
● 気をつけよう! コレステロールと生活習慣 沢井製薬株式会社
 監修:筑波大学 医学医療系 内分泌代謝・糖尿病内科 教授 島野 仁 先生
参考サイト
● 動脈硬化net

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参考サイト
日本医師会
参考文献
適度な飲酒 日医ニュース 健康プラザ No.402
監修:独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター院長 樋口 進 先生


アルコール好きの方は多いです。
これから暑くなると,ビールがおいしい季節♪
「アルコールの飲み過ぎは身体に良くない」と思っておられる方,その通りです。
高血圧症,脳卒中,脂質異常症,癌などの身体の病気になるリスクが増大するとともに,アルコール依存症などの精神的な病気になるリスクも増大します。 アルコール依存症の方は,断酒の他にありません。
気温が上昇してくると,アルコールを摂取した後は脱水症にもなりやすくなり,脳卒中発症の危険性も増します。注意しましょう。
日本医師会様の健康プラザから良い資料が見つかりましたので,御紹介とともに参考にさせていただき,僭越ながら若干の記事を加えさせていただきます。

厚生労働省は「100%のアルコール10gを1ドリンク」として「1日平均 男性2ドリンク以下 女性1ドリンク以下」を適度なアルコール量の目安としています。年齢,体格,体質,罹患中の病気などの状況で個人差があります。御注意ください。1ドリンク (純アルコール 10g) のお酒 1318
男性:2ドリンク(100%アルコール20g)
女性:1ドリンク(100%アルコール10g)
久里浜医療センターホームページ

「え~! 少なすぎる~!!」という声が多数です。気持ちはよ~くわかります。しかし現実です。
高血圧症の患者さんの中にも,アルコール好きの方は多いです。
アルコールと一緒に食べる「おつまみ」に対しても要注意です。高血圧症のみならず,脂質異常症(高コレステロール血症や高中性脂肪血症),高尿酸血症(痛風などの原因)などの病気を併発する危険性を高めてしまいます。
減酒にチャレンジしてみましょう。減酒にチャレンジ 1404
週に2日の休肝日を設定するなども1つの方法です。
飲み過ぎに注意して,適度な飲酒を楽しみましょう。

参考サイト
日本医師会
参考文献
脳卒中予防は、血圧のコントロールから【健康ぷらざ No.423】PDF
指導:川崎医科大学脳神経外科 教授 宇野 昌明 先生

当クリニックの理念
「健康寿命をのばしましょう。カラダも,ココロも,社会的にも健康に。」

このことに関する良い資料が見つかりましたので,御紹介と同時に参考にさせていただき,僭越ながら若干の記事を加えさせていただきます。

健康寿命をのばすためには,生活習慣病を早期発見,早期対処し,適切な治療を継続的に行なうことが肝心です。

当クリニックで治療に力を入れている生活習慣病は,主に高血圧症,糖尿病,脂質異常症,高尿酸血症。

高血圧症を放置すると,脳卒中を発症する場合があります。
健康寿命をのばすたため,脳卒中の発症を防ぎましょう。
御家族/御親戚に脳卒中の方がおられる方は特に注意しましょう。

そのためには,血圧の良好なコントロールが重要です。
目標とする数値は,おおむね下記の通りです。

診察室血圧:140/90 未満 (糖尿病合併あるいは尿蛋白陽性の腎臓病の場合 130/80 未満)

家庭血圧:135/85 未満 (糖尿病合併あるいは尿蛋白陽性の腎臓病の場合 125/75 未満) 423 血圧をコントロールする3つの方法! 2003

血圧のコントロールの基本は,以下の3つです。
● 食事療法
● 運動療法
● 薬物療法

食事療法については,第一に塩分摂取をひかえ,当ブログでも紹介させていただいた記事「食べる順番/ベジタブルファースト/健康の好循環」等を参考に,毎日欠かさず実行してください。

運動療法については,ラジオ体操,ストレッチの他,ウォーキングなどの有酸素運動が良いでしょう。

「適度な運動」であることもポイントです。あまり一生懸命やりすぎて足首や膝を痛めてしまう患者さんに時々遭遇します。「過ぎたるは及ばざるが如し」です。気をつけましょう。

薬物療法については,原則は担当医師の指示に従いましょう。
特に自己判断による治療の中断は,決して行なってはなりません。
「家庭血圧」を測定し,血圧手帳に記録することを続けましょう。「継続は力なり」です。
朝と夜に測定! 2043

参考サイト
厚生労働省
参考文献
熱中症予防リーフレット(PDF:746KB)
 

仙台も少しずつ暑くなってきました。
まだ時期尚早かもしれませんが,厚生労働省のリーフレットを引用させていただきながら熱中症予防について記載をさせていただきます。
まず,熱中症予防のためには暑さを避けることが重要です。熱中症予防のために 1ページ抜粋 暑さを避ける 1704
WBGT値という言葉は聴き慣れない言葉かもしれません。
WBGT:Wet Bulb Globe Temperature
暑さ指数ともよばれ,熱中症予防を目的として1954年にアメリカで提案された指標です
熱中症になりやすいかどうかは,気温のみならず,湿度,輻射熱(ふくしゃねつ;遠赤外線の熱のこと 太陽光やストーブなど)の3種類の要素が密接に関係していることに由来します。気温や室温だけを気にするだけでは不十分なのです。室内の湿度,外での太陽光,仕事場での熱源(ストーブなど)にも注意しましょう。意外に大量の汗をかいている場合があります。
次に,こまめに水分を補給することを忘れないようにしましょう。熱中症予防のために 1ページ抜粋 こまめに水分を補給する 1705
水分を補給する時は,単純に水分を摂るだけではいけません。汗をかくことにより体内からNaCl(塩化ナトリウム;塩分)が失われるからです。
経口補水液が理想的ですが,水分+塩あめ(糖分が含まれていないものが望ましい),スポーツドリンクでも代用できます。スポーツドリンク中の糖分の摂り過ぎにも注意しましょう。
熱中症の症状は多彩です。いろいろな症状があり,慣れないと診断は簡単ではありません。
基本的な病態は,脱水症,低ナトリウム血症,高体温が組み合わさり重なることで発症します。
重症になると,返事がおかしい,意識消失,意識混濁,けいれん,40℃近くの高体温などの中枢神経症状を呈します。119番に連絡して救急隊の指示に従いましょう。熱中症予防のために 2ページ抜粋 1703
各省庁からの熱中症関連の情報はこちら
● 厚生労働省
 「健康のため水を飲もう」推進運動 
 職場における労働衛生対策[熱中症予防対策] 
● 環境省
 熱中症情報[熱中症環境保健マニュアル、熱中症予防リーフレット、予防カードなど] 
 熱中症予防情報サイト[暑さ指数(WBGT)予報など] 
● 気象庁
 熱中症から身を守るために[気温の予測情報、天気予報など] 
 異常天候早期警戒情報 
● 消防庁
 熱中症情報[熱中症による救急搬送の状況など]139220

当クリニックには高血圧症,糖尿病,脂質異常症,高尿酸血症などの生活習慣病で通院されている患者さんが多いです。生活習慣病対策として食事療法は必須です。薬を服用するだけでは不十分です。

食べること≒楽しいこと

「さぁ,今日から一生懸命やろう!!」 と思っても,なかなか続きません。3日坊主という方も多いでしょう。気持ちは,よ~くわかります。

当クリニックでは,毎回必ず続けられることとして,食べる順番を意識した食事の仕方を勧めております。ダイエット講座などですでに御存じの方もおられるでしょう。食べる順番による血糖値上昇幅の違い
毎回,食べる順番を守って食事をすると血糖値の(急激な)上昇と上昇幅が抑えられ,糖尿病が改善するばかりでなく,メタボリックシンドロームにもなりにくくなります。
食後の血糖値が上がりにくい食べ方の一例
しかし,食べる順番の通りに食事をすると「味気ない」,「つまらない」と感じる方もおられます。つまらない,と感じるとなにごとも続きませんね。

そこで最低限の提案として,野菜,海藻,キノコ,こんにゃくなどの食物繊維から「食べ切る」ことをお勧めしています。食物繊維を食べ切ってから,他のおかず,炭水化物に移行するのです。
このことを「ベジタブルファースト」と表現している文献や記事を見かけることがあります。これだと無理はありません。

意外な食材が炭水化物グループに含まれています。くだものは比較的よく知られていますが,とうもろこし,いも,豆類,根菜も炭水化物グループに含まれます。これは注意です。そして,炭水化物 1837
習慣になれば「味気ない」,「つまらない」などの違和感をほとんど感じなくなるでしょう。クリニックや病院で受ける検査結果も改善され,自信となり,モチベーションアップにつながり,健康の好循環が始まります。

さぁ,今日の夕食から始めてみましょう。

【文献】
● 金本 郁男 他.糖尿病.2010;53(2):96-101.
日本糖尿病学会編.糖尿病食事療法のための食品交換表 第6版.文光堂.2002:8.
MSD株式会社 「今日から始める食事と運動」 関西電力病院院長 清野 裕 先生 監修

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