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高血圧症,糖尿病,脂質異常症(高コレステロール血症,高中性脂肪血症)などの生活習慣病の患者さんが多数いらっしゃいます。高血圧症の治療を行なう際,通常の降圧薬が効きにくい患者さんは予想以上に多く(難治性高血圧症),こういった患者さんに検査を受けていただくと軽症から重症まで様々な程度に睡眠時無呼吸症候群という病気が見つかります。 高血圧症に限らず,他の生活習慣病に罹患している患者さんにも睡眠時無呼吸症候群を合併している患者さんは思った以上に多いため検査をおすすめすることがあります。 |
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睡眠時無呼吸症候群は,肥満および高血圧症,糖尿病,脂質異常症(高コレステロール血症,高中性脂肪血症)などの生活習慣病,さらには致死的にもなりえる心筋梗塞や脳卒中とも関連の深い病気です。睡眠時無呼吸症候群の治療を行なうことは病気のリスクを減らすためにとても重要です。
睡眠時無呼吸症候群の検査,治療を行なうことは生活習慣病の総合診療を行なううえで重要な要素です。当クリニックでも睡眠時無呼吸症候群の検査,治療を行なっております。 2014年から「自動車運転死傷行為処罰法」が施行されています。 この法律では「自動車の運転に支障をおよぼすおそれがある病気」として政令で定めるものの影響により正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転し人を死傷させた場合も飲酒運転などと同様に厳罰に処されるようになりました。 「自動車の運転に支障をおよぼすおそれがある病気」の1つに睡眠時無呼吸症候群が含まれています。 睡眠時無呼吸症候群は,運転関係の仕事をされている方々も気をつけた方が良い病気です。 睡眠時無呼吸症候群を疑う場合 睡眠時無呼吸症候群の患者さんは睡眠中に何度も呼吸が止まることがあります。 10秒以上息が止まる状態を無呼吸といい,平均して1時間に5回以上,睡眠中に無呼吸が見られる場合に睡眠時無呼吸症候群と診断され,重症度に応じた治療の必要性を検討します。隣で寝ているベッドパートナーがいびきの音で目を覚ましたり,患者さんが息をしていないことを心配して気づかれることも多いです。 |
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問診票
問診票や質問票といわれるものには数種類ありますが,STOP-Bang問診票という問診票が具体的でわかりやすいかもしれません。ただし,問診票だけでは診断はできません。簡易検査および精密検査を受けていただきます。 いびき (Snoring),日中の疲労感 (Tired),第三者に指摘される無呼吸 (Observed apnea),高血圧 (high blood Pressure),BMI(Body Mass Index),年齢(Age),首周囲 (Neck circumference),性別 (Gender)の頭文字をとってSTOP-Bang問診票と呼ばれます。 各項目にイエスならば1点,ノーならば0点と計算し満点は8点です。日本語バージョンを(読みやすく若干修正して)以下にご紹介させていただきます。 S)いびき(Snoring)は大きないびきですか? □ はい □ いいえ (隣で寝ているベッドパートナーが目を覚ます程度) T)日中の疲労感(Tired) 日中しばしば疲労,倦怠感や眠気を感じますか? □ はい □ いいえ O)第三者に指摘される無呼吸(Observed apnea) 他の者から睡眠中に呼吸が止まるまたは苦しくなったことを指摘されたことがありますか? □ はい □ いいえ P)高血圧(high blood Pressure) 高血圧と診断されたことはありますか,あるいは高血圧の治療を受けていますか? □ はい □ いいえ B)Body Mass Index(BMI) BMIは25以上ですか? □ はい □ いいえ A)年齢(Age) 年齢は50以上ですか? □ はい □ いいえ N)首周囲(Neck circumference)喉ぼとけの位置で, 女性の場合首周囲が41cm以上ですか? □ はい □ いいえ 男性の場合首周囲が43cm以上ですか? □ はい □ いいえ G)性別(Gender)は男性ですか? □ はい □ いいえ 0~2点の場合: 睡眠時無呼吸症候群のリスクは軽度と推測されます。 3~4点の場合: 睡眠時無呼吸症候群のリスクは中等度と推測されます。 5点以上の場合: 睡眠時無呼吸症候群のリスクは高度と推測されます。 診断のための検査 睡眠時無呼吸症候群の検査には大きく分けて,簡易検査と精密検査があります。精密検査は終夜ポリソムノグラフィー検査(PSG検査:Polysomnography examination)と呼ばれます。 以前は簡易検査を在宅で行ない,精密検査(PSG検査)は入院して実施することがほとんどでしたが,2021年~2022年頃から精密検査(PSG検査)も在宅で行なえるようになりました(在宅PSG検査)。当クリニックでは医療機器メーカーと提携して検査を行ないますので,簡易検査も精密検査も在宅で行なうことができます。付帯したQRコードをスマホで読み取り,動画により装着方法の説明を視聴することができますので,かなり高齢の方あるいは,よほど機械操作が苦手な方でなければたいていの方は自宅で検査可能な難易度です。 ※在宅PSG検査の場合,通常の(閉塞性)睡眠時無呼吸症候群については正しく診断できますが,それ以外の睡眠関連疾患(周期性四肢運動障害,むずむず脚症候群,ナルコレプシーなど)については診断が不正確になるおそれがあります。その場合は当クリニックから精密検査を行なえる適切な医療機関をご紹介しております。 |
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検査のフローチャート
睡眠時無呼吸症候群について,検査のフローチャートを以下に示します(チェスト株式会社ホームページから抜粋し修正して掲載)。 フローチャートの中の「AHI」,「CPAP治療」について簡単に解説します。 AHIとは: Apnea Hypopnea Indexの略。無呼吸低呼吸指数のこと。1時間あたりの無呼吸(Apnea)と低呼吸(Hypopnea)を合わせた回数。睡眠時無呼吸症候群の重症度の指標。 CPAP(シーパップ)治療とは: 圧力(陽圧)をかけた空気を機械で鼻から気道(空気の通り道)に送り込むことで気道を広げ,睡眠中の無呼吸を防止する標準的治療法です。中等症から重症の患者さんに適応。健康保険適用。 |
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検査の費用(初診料等を除く)
簡易検査(在宅): 3割負担で 約2,000~3,000円 当クリニックではコチラを実施 精密検査(在宅): 3割負担で 約12,000~14,000円 当クリニックではコチラを実施 精密検査(入院): 3割負担で 約30,000~50,000円 入院の精密検査は行なっておりません おおまかな治療方針 生活習慣を改善すること,減量すること,アルコールの摂取量や睡眠薬の服用量をひかえたりすることも重要ですが,現在では(閉塞型の)睡眠時無呼吸症候群に対する基本的な治療はCPAP(シーパップ)治療(保険適用)です。軽症の場合は歯科にてマウスピースを作成して治療する場合もあります。その場合は当クリニックから歯科クリニックをご紹介します。 他の医療機関から当クリニックへ転院したいというご希望・ご要望もございます。担当医からの診療情報提供書があれば転院は可能です(現時点での提携医療機器メーカー:チェスト株式会社,フクダ電子,小池メディカル,フィリップス)。 |
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CPAP(シーパップ)治療で通院する場合の費用
保険診療で3割負担の方がCPAP(シーパップ)装置をレンタルする場合,通院治療およびCPAP装置のレンタル料を含めて月々5,000円程度です。 |